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「SDLC(開発ライフサイクル)のガバナンス」をどうAIに委ねるか
“開発が得意ではない世界”に転生したけど、AIと一緒にもがいている人
渡部友也(わたなべ ともや)
ソニーネットワークコミュニケーションズ 技術部門ネットワーク部技術2課 兼 運用課
兼 OpenFiber Japan株式会社 技術本部ネットワーク開発2部ネットワーク構築2課
略歴
趣味
勉強会も主催しています
Network Developer Night — ネットワーク開発者の勉強会(直近:#4 / 2026-07-23)
「AIで 自動化コードを書く」から
「AIで 自動化プロジェクトを推進する」へ
人間の仕事は、下流から上流へ AIに委ねて いく 🤝
開発力ほぼゼロ → とりあえず書かせる → ガバナンスの強化 → AIに推進してもらう ▶ いまここ
※ なお、このスライド的なものも Quarto + reveal.js で Claude Opus 4.8 が作っています
15,966総コミット
2,493マージされたPR
179累積リリース
1→25AIアクティブユーザー / 月
🔁 変わったこと
増えたのはコミットだけじゃない——人もPRも、リリースも
→ snc-nw orgで蓄積したデータ。これらの変遷を3つの章に分けてお伝えします 👇
第1章
まず、AIに書かせてみた
コミットも・マージPRも・AIアクティブユーザーも、まだ少ない
2025年1月 — 自動化活動を立ち上げた直後の現実
ネットワーク部のチームで、コードを書ける人は、ほぼいなかった。
3/ 45
コードを書けた社員
0
即戦力の委託メンバー
🚩 出発点
教材も時間もなく、メンバーへの
プログラミング教育は現実的ではない
→ だったら——AIに書かせるしかない
2025年2〜3月 — まだ GitHub Copilot Agent Mode が Preview だった頃
人が習熟して書くのは、やめた。AIが書く に 全振り した。
当時のAIコーディング事情 — 環境はまだ未熟だった
Model は GPT-4.5 / Claude 3.7 Sonnet Claude Code はまだ無い “Vibe Coding” も未登場
手放した Python/TypeScriptを学習する
注力した Git/DevContainer等の周辺技術知識
♟️ 戦略
ネットワークエンジニアが、プログラマになる必要はない
→ 必要なのは「書く力」ではなく、AIに 書かせる力 と 業務知識
2025年〜 — NRE活動として、ネットワーク運用をできるところからプログラム化
装置増設設計と作業
Netmiko Jinja
装置共通
Library/API Server
FastAPI Netmiko/Scrapli ttp/textFSM
2-way工事の自動化
Twilio React
IP/装置/構成管理
React Django
装置への一括操作Orchestrator
Nornir
🚀 最初の到達点
コードの99%は、AIが書くことになった
限られた開発者・適用範囲の中で、システムが複数できあがった
2025年2〜8月(7ヶ月) — コミットは増えた。でもPRがマージされない
コードはできている
2,675 コミット
(月平均 ≈380)
34 立ち上げたリポジトリ
(〜2025/8・次々と新規)
のに
PRがマージされない
173 マージPR数
(月平均 ≈25)
動くけど変なコード
コメントしては差し戻しの繰り返し
🧱 ボトルネック
コードの量産はできても、品質のコントロールができない
Modelの性能問題もあるが、コーディング経験不足が主因
→ 「品質をコントロールして開発を回す仕組み」が必要になった
第2章
仕組みが追いつき始めたが、
加速が止まらない
コミットは増加、PRも回り出し、AIアクティブユーザーも拡大
2025年 — 量産されたコードは何を作っているかを意識させる
「機能追加なのかバグ修正なのか」を曖昧にしない
💡 体験から得る
不格好ではあったが、開発のライフサイクルを導入できた
→ 作っているものの解像度があがった。AIに説明できるのでコード品質があがったはず
2025年9月〜2026年4月(8ヶ月) — release/tagの仕組みを入れた後
書く量はさらに増えた
8,371 コミット
(月平均 ≈1,046)
≈2.7倍 月コミット数
初期と比べて
だけど
なんとなく回っている
1,030 マージされたPR
= コミットの12.3%
6.5→12.3% 初期と比べてPR/コミット比がほぼ倍増
(月次は最大26%まで上昇)
↗️ ターニングポイント
コード量を加速させたまま、PRが“マージされる”ようになった
→ 小さい単位でPRを回す“ハーネス”が、AIの暴走を抑えた
AWS導入 +管理を全てCDKで実施(cdk-full-managed)
2026年1月、AWSを導入。
AWS経験者もいないので、最初から AI の管理下へ
これまで
オンプレIaaS
OS 払い出し・構築が手作業
いま
必要なリソースをAIが定義
CDKで自動作成・管理
⚡ 加速
AWSをAIに管理させたことは大成功。
全てIaC化された恩恵がとても大きい
→ インフラもAI の管理下に入り、Deploy と Release の障壁が一気に下がった
リポジトリの言語別コード量(実データ・GitHub API集計)
学習コストはAIが肩代わり、言語は”性能・機能”で選べる
Python 52.9% 2025年初〜
TypeScript 16.1% ← 2025後半に登場
HTML 15.7%
Jinja 3.1%
Java 2.2%
Go 1.0% ← 2025後半に登場
🧭 選び方が変わった
言語選定の基準が「書きやすさ」から「適材適所」へ
並行してコンテナからServerlessへ、実行環境も変化
AIの圧倒的な生産スピードに、人間の管理プロセスが追いつかない
Modelの進化やAgent Codingの発展でさらにコード量は増え続ける
AIがコードを量産するほど、新たな課題が発生する
flowchart LR A["x"] --> B["y"]
🔍 レビュー PRが滞留して回らない
🌿 ブランチ戦略 シンプルな戦略だと
開発速度が速すぎて
mainがバーストする
🚦 リリース判定
Go / No-Go 誰が・何を基準に決める?
コードはあるが
運用変更は追いつくか?
🗂️ Issue / スケジュール 全体像が誰にも見えない
進捗が把握できない
🔀 ボトルネックの移動
ボトルネックが「作る」から「回す」に変わった
第3章
人がやっていた管理を、
AIに渡す
コミットもPRもAIアクティブユーザーも、過去最高水準に到達
コーディングも、インフラ管理も — 結局ぜんぶ AIにやらせてきた
コーディング → AIにやらせた DONE
インフラ管理 (AWS/CDK) → AIにやらせた DONE
ガバナンス / PM → AIにやらせる 同じはず
人間ができるのであればAIにもできる。ガバナンスもPMも、AIに委ねればいい
「コードもインフラもAIにやらせたらよくなった」— 答えは、ずっと同じだった
GitHub Projects × Copilot — 複数リポジトリを跨ぐ進捗管理
「Taskを切って欲しい」と伝える、AIに委ねるプロジェクト管理
BEFORE — 人手
GUIをポチポチ手作業。
それを毎日くり返す
ルールを覚える必要があるし、ルールは崩れる。
→
AFTER — AIが支援
Skillを定義すれば、
詳細なルールを覚える必要がない。
Release→Epic→Taskを階層化。
Assignee Iteration の振り分けルール
🗂️ PMのAI化
決められたルールでプロジェクト管理を、AIが支援する
AI Agentic Workflow — 開発者のブランチ戦略実行を支援する
「この改修、main にmergeしていい?」にAIが回答する
課題 ブランチ戦略が複雑になった — Branch作成やMerge先の判断が難しい
解決策 差分内容 × issueの背景から main直 / release経由 を判断支援。
🌿 ブランチ戦略のAI化
曖昧なブランチ戦略・Mergeの妥当性判断を、AIとSkillで固める
PR Template × チェックリスト — リリース可否を「型」で揃える
「これ、リリースして大丈夫?」をテンプレート+AIで標準化
課題 観点が均一化されていない — 影響範囲・テスト・切り戻しの確認が曖昧
解決策 PR Template に Go/No-Go チェック項目を定義
AIが設計とコードから生成。CIと合わせリリースゲートを作る
🚦 リリースのAI化
リリースの「OK」を、人の勘から テンプレ+AI へ
書けなかった → コードの99%をAIが書く → SDLC のガバナンスまでAIへ
「AIに書かせる」で終わらせない。
開発ライフサイクル(SDLC)ごと、AIに委ねられる。
極論、自然言語で表現できるものは全てAIでできる。
人がやるのは、“何を・なぜ世に出すか”を決めることと、AIに仕事を渡すことだけ。
ご清聴ありがとうございました
AI showcase LT 〜見せます私のAI活用方法〜